躊躇いのキス
 
あたしの目的は、最初からこれだった。

いつまでもあたしを子ども扱いする雅兄が嫌で
少しでもあたしを女として見てもらいたくて、

バカだと分かっていても、これしか思いつかなかった。


ベッドに潜り込んだのだって
一つの誘惑方法で……



「へえー……」



あたしの言葉に、雅兄は頷くと……



「……っ!?」



それに応えるように、あたしの体をベッドへと押し倒した。



「じゃあ、このまま襲っていいんだ?」



その顔は、あたしの知らない、男の顔をした雅兄で……
今さらながら、心臓がまた壊れるほどの速さで動いていく。


「いい、よ……」


うん。
大丈夫。

雅兄なら……。


その返事を聞くと、雅兄の顔が近づいてきた。
 
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