躊躇いのキス
「ま、雅兄っ……」
「何?」
「待ってっ……」
「なんで?」
雅兄は近づけた唇で、つーっと首筋をなぞる。
体中がビクンと反応して、いっきに熱が上昇した。
「襲われたかったんでしょ?俺に」
「そ、だけどっ……」
襲われたかった、といえばちょっと違って……
雅兄をドキッとさせたかっただけ。
あたしのことを女として、意識させたかっただけ。
そんなあたしの気持ちを知らずに、雅兄の右手がスカートのすそをたくしあげる。
大きな手が、普段触られない太ももを撫ではじめた。
「…っ……」
こんなこと、初めてじゃないのに初めての時以上に敏感に反応して……
恥ずかしさとくすぐったさと快感で、どうにかなりそうだった。