躊躇いのキス
 
「ひ、ひどい!最低!!」

「そんな最低な男を好きなのは誰だっけ?」

「…っ」


体を離して、相変わらず意地悪に微笑んでいて……


ほんとどうして
こんな最低でエッチな幼馴染のお兄ちゃんを
22年間も好きなんだろう……。


「あ、だけど」


何かを思い出したかのように
雅兄はあたしの顎に手をかける。

そして……




「……っ」




顎をクイと持ち上げると
目を見開いたままのあたしに、キスをした。
 
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