躊躇いのキス
 
大人になったつもりだった。

自分でもイイ女になったつもりだった。



だから今のあたしなら
あの時散々傷つけられた雅兄に、勝てるって思ってた。


だけど……




「今度は捨てられない男を探せよ」


「う、るさいっ!!」




あたしはまだまだ
雅兄には勝てない。




「……雅兄の……バカっ……」




高鳴る心臓を抑えることはできなくて
小さい頃の想いが蘇りそうだ……。
 
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