躊躇いのキス
 
直接言われたことに、雅兄は目を見開いていて
だけどその顔を、いつもの気さくな笑顔へと変える。



「何いまさらそんなこと言ってんだよ。

 俺も侑那こと好きだよ」



にこりと微笑むその顔は
あたしの「好き」と違う意味の「好き」だとすぐに分かった。


必死な告白をさらりと受け流された気がして
頭にカッと血が上る。


そして頭をぐっと上げると、



「……っ」



雅兄の唇に、自分のものを押し当てた。

 
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