躊躇いのキス
慌てて家に入って
自分の部屋へ閉じこもった。
残ったのは後悔の塊。
分かっていたのに……
どうやったっても報われないと……。
分かっていたから、雅兄を好きでいることを諦めたのに……
「……っ」
(お前の気持ちは嬉しいけど……
今の俺には応えられないよ)
決定的にフラれた。
20年以上片想いをしていた人に……。
雄介にフラれたときよりも、ずっと胸が痛くて……
呼吸をするのすらも嫌になって……
ああ…
これが本当に、フラれるということなんだ……。
と理解した。