躊躇いのキス
「今まで言ってきたことも本当。
侑那のこと、妹としてか見てこなかったし……。
彼女いたし……。
だけどお前の顔ばっか思い浮かんで、彼女と付き合ってられないって思ったし……」
「……」
「だから……
仮ってことで」
「え……?」
あまりにも意味不明な言葉を言う雅兄に、思わず顔をあげた。
そこにはにこにこと微笑む雅兄がいて……
「仮彼女。
仮が取れるかどうかは、侑那次第」
「何それっ……」
「この前みたいに、ふいうちでキスしたりして、俺をドキッとさせるんだな」
「…っ」
忘れてた……。
そう言えばこの前、告白ついでにキスしちゃったんだ……。