トイレ、大至急!
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-8月の暑すぎたあの日-

オレが乗っている特急電車は間もなく阪急十三駅に到着する。
ガンガンに効いた冷房のせいで、さっきから微妙に腹が痛い。
しかし、阪急電鉄を悪く言うつもりはない。
というのは、「弱冷車」というマイルドな冷房を売りにした
車両が用意されているにも関わらず、
すすんで冷えた車両に乗っていたからだ。
少しくらいハラを冷やしたとしても
この涼しい車内が天国であり、外界が灼熱地獄なのだ。
十三駅に到着し扉が開いたので、覚悟を決めてホームへ降りた。
ホームの異常な暑さで頭がぼんやりしてくる。
これから20分も歩いて家に帰るのか‥‥、
ダルい。ダルすぎる。

外の暑さで回復するはずの腹痛は予想に反して徐々にキビシさを増している。
なにかヤバいもの食べたっけ?出したほうが良さそうかも。
この駅のトイレは‥‥神戸線の端っこだ!
京都線の梅田行きホームにいるオレの場所からは
階段を登って降りて、あっち行ってこっち行って‥‥もっとも遠いといえる。
ここにトイレを増設しなさいって。
‥やめた。今のところ十分我慢できそうだし、
施設の重大な欠陥は大目にみてやろう。
しばしば腹痛に悩まされているオレにとって、
これぐらいの痛さはなんでもないのだ。
駅の汚いトイレで済ますより、ウチに帰ってウォシュレット♪
そうそう、初めてウォシュレットを使った時は驚いた。
使う奴の気が知れない!ってくらいにくすぐったかった。
でも、いつの間にか慣れて、今では紙で拭くだけだと頼りない。
ウォシュレット最高!
‥おっと、トイレのことを考えると余計つらくなる。
とっとと帰るとするか。
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