私を嫌いな人。
お礼を言ってすぐに、試験監督が入ってきた。
そして私はその人の消ゴムを借りて試験に挑んだ。
試験が終わり、私は貸してくれた男の子に
またお礼を言って消ゴムを返した。
すると、男の子は「ん。」と笑って言い、
そのまま行ってしまった。
男の子の顔はマスクをしていて、よくわからなかった。
でも、
なんとか問題を解き終わってまだ少し時間が余り、
私は不意に消ゴムを見ると名前が書いてあった。
――早瀬 拓人――と。