*ヒーローボーイズ*
はぁ、っと頭を抱えながらため息をつく和奈。
「ふったりとも〜その話は倉庫に行ってからにしようね〜?」
「え?あっ、ちょっ…ッ」
「風希押さないでよーっ…」
「まぁまぁ〜」
あたしは風希に、和奈は風磨に背中を押され車へと案内された。
「「2名ご乗車でーっす♪」」
「はいどーぞ」
にっこり笑顔でドアを開けてくれる紳士明良(命名なぅ)
「ね、ねぇ美月…私なんかが行ってもいいのかな?」
「んー、明良達が和奈もって言ってるからいいじゃない?」
「そうなの?」
「うん!」
本日2度目となるこの車、さっきは言ってなかったけど車内はかなりでかい。
あたし達2人が居て、明良達が居てもまだ余裕がある程だ。
ちなみに皆の席順は↓
前
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明 運
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藍 美 和
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希 修 磨
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後
って感じ。
修二は双子に挟まれ移動中はずっといじられっぱなしだった。
和奈はあたしの横でずっとソワソワしてて、その反対側では藍斗が眉間に皺を寄せて眠っていた。
…何か嫌な夢でも見てんのかな?
「あっ、そういえば今日は何時まで要られるの?」
「私は別に決まってないですけど…」
「分かった、美月ちゃんは?」
「あたしも別に大丈夫だよ?」
「ほんと?よかったよ、でもあんまり遅くなるとあれだから今のうちに家族に電話しといた方がいいじゃない?」
「あ……そう、ですね」
チラッとあたしを心配そうに見てくる和奈にあたしは笑った。
「(大丈夫だよ、心配しないで?)」
「(…うん)」
あたしは明良達に気付かれないように和奈に言った。
和奈が今こんなに心配してくるのは、あたし達の中で家族の話が一切NGだからだ。
「おーい、お前ら何やってんだ?明良が困ってんぜー」
「あ、あぁごめん…大丈夫、連絡は入れなくても平気だよ」
「そう?和奈ちゃんはどうする?」
「え?あ、やっぱり私も大丈夫…かな?」
和奈はあたしに気を遣ってそう言ってくれる、ほんとにいい子なんだ。