*ヒーローボーイズ*
「……あっ」
ふと時計を見ると30分過ぎ、色々喋ってたらいつの間にか時間はが過ぎていたらしい。
…よしっ、今日も頑張るか!
気合を入れて家を出た。
ーーー…まさかこの後に出会ってしまうなんて、この時のあたしには全く分からないだろう。
*藍斗*
ーーーブロロロ…ッ
「ふぁ〜ッ…ハフゥ……寝みぃ、学校行くの面倒くせぇー」
「修二、行儀悪いから椅子に足乗っけるなよ。汚れるだろ」
「細けぇこと気にすんなよ、皺が増えるぞ明良ママー」
「誰がママだ、俺はまだ17歳だ」
「そうだよ修二〜いくら明良がお母さんみたいだからって年頃の男の子にママ呼ばわりはダメだよ~」
「そうそ、でも修二の言った通りあんまり怒るとしわしわじいさんになっちゃうよお母さん♪」
「風真、風希…お前らも修二のおふざけに便乗すんじゃない」
「「え〜だって暇なんだもーん」」
「俺も暇だったんだもーん」
「ハァ…おい藍斗、お前も何か言ってやれよ。俺だけじゃ埒が明かない」
と、明良が助手席から眉をハの字にして俺の顔を見てきた。
…チッ…こいつらまとめるのはお前の仕事だろーが、俺に押し付けんなよ。
心の中でため息を吐いて目を閉じた。
「え、藍斗寝ちゃうの!?」
「うるせぇ、静かにしろ…」
俺は昨日寝てねぇんだよ…
俺はそのまま眠りについた。がしかし…目を閉じて眠りについてすぐの時、瞼の裏に人の影が見えた。
暗くてよく分からないが、多分女だ。
着ている服も何となくだけど見えた、…俺達の通う【陽爽高校】の制服だった。
くそっ、顔が見えねぇ…一体誰なんだよ…
もう少しで顔が見える、そう思った時だった。
「うわあぁぁっ?!」
キキィィィィッ…!!
「キャアアアア…ッ!!!」
「っ!!…今の声、おい藍斗起きろ!」
「…起きてるッ」
「早くっ!人を引いちゃった!!」
お前は少し落ち着けよ…まぁ人を引いて落ち着ける奴なんて居ねぇか…
俺達はすぐに車を出て声のした方を見た。
そこには車と塀のわずか1m半くらいの隙間に蹲る女が居た。