*ヒーローボーイズ*
「大丈夫!?怪我は無いっ!?」
「え?あ…大、丈夫です」
「そっか、良かったぁっ…」
女の前にしゃがみ込み安堵のため息をつく明良。
「あれ?よく見るとその制服、陽爽高校だよね〜?」
「ほんとだ〜てか結構可愛くね?」
いやお前ら顔近すぎだろ…
「え、え?」
ん?……どっかで見た覚えが…
「……お前は」
「…えっ?」
いや、んなわけねぇよな…
「…何でもねぇ」
「??」
この時はただの偶然かと思った。
まさかさっき夢に出て来てた女がこいつだったなんて俺は知らず、呑気に欠伸をしていた。
*美月*
家を出てから数分。十字路を通ろうとした時、右側から突然黒い車が突っ込んで来た。
キキィィィィッ…!!
「キャアアアア…っ!!」
今までにない高い声が出た。
車の方もあたしに気付いたのか大きな音を立てて急ブレーキを掛けた。
「…うッ」
な、何……って車近っ!!
薄っすら目を開くと目のめ前には黒い車があり、背中にには硬い塀の感触があった。
「ぁ、危なっ…」
そう呟いた時、車から人が数人出て来た。
「大丈夫!?怪我はないっ!?」
凄い慌てた様子で駆け寄って来たのは赤茶の髪のイケメンだった。
あたしが返事をするとその場にしゃがみ込み大きなため息をついた。