*ヒーローボーイズ*
携帯を明良に渡すと明良はニッコリ微笑んで携帯を耳に当てた。
「もしもし、美月ちゃんのお友達ですか?」
すると何の躊躇もなく普通に和奈と話を始めた。
「ーーーー……はい、分かりました。大丈夫です、俺達は約束は破りませんから…はい、では」
「あの、和奈は何て…?」
「うん、ちゃんと美月ちゃんをお友達の元に返すよって言ったら“約束破ったらぶっ殺す”て言われたよ」
和奈ァ、何でそんな事言うのよー…
「すみません、そんな事言っててもあの子ほんとははいい子なんで…あの、許してください」
「何で謝るの?…美月ちゃんの事をあんなに心配するのは優しい子だからなんだよね?俺には分かるよ」
「…はい、ありがとうございます」
…和奈、心配しなくて大丈夫だよ、この人達は多分いい人達だから。
「皆さん、もう付きますよ」
「うん分かった」
「「あー疲れたァ」」
いや、車乗ってただけでしょ…
そして運転手さんの言葉通り車はもう学校の目の前に来ていた。
「学校だりーなー」
「そんな事言ってないで早く出ろよ、美月ちゃんが降りれないだろ」
「へいへい」
ガチャ…
「「「きゃぁぁああぁあ!!♡」」」
「ビクっ…!!?」
何これ!?この学校こんなに女子多かったっけ!?
そう、この学校は男子8割女子2割という圧倒的に女子が少ない学校で、この辺じゃ有名な不良校。
「藍斗さんかっこい〜♡!」
「明良様素敵ー!!」
ボソッ「…誰あの女」
「修二さんこっち見てぇ♡!」
「風希くん風磨くん可愛いー!!♡」
ボソッ「…何あの女」
ちょい待て、さっきからミーハー女子の中から変な声が聞こえるのは気のせいですか…?
「誰よあんた!」
「藍斗さん達に馴れ馴れしく近寄ってんじゃないわよ!」
どうやら気のせいじゃないみたいです。………ていうか女子の皆さんの顔が鬼のようになってて怖い!
「あ、明良…これは一体っ」
「あぁ、大丈…」
「美月!!」
明良の言葉を遮って入って来たのは紛れもないあたしの親友、和奈だった。
「美月大丈夫?何か変な事はされてないっ…??」
「うん、大丈夫だよ。ありがと」
「ならいいんだけど、…って、美月!!?」
「な、何…?」