レモンキャンディ
私には私をわかってくれる人がいる。
それだけでいいと思った。
みんなが私のことを信じていなくても信じてくれる人もいる。
それに、大半の人は私と関係のない人じゃないか。
そう思った。
だけどわかってほしい人もいる。
私が教室に入ると少しざわついていた。
さっきまでは気づいていなかったが、
みんなが私のことを噂していたんだと気付いた。
「さおり、大丈夫?」
ゆきが私のほうへ来る。
だけど先生が入ってきて
ゆきが座るように言われてしまう。
私は口パクで大丈夫と伝えた。
別に何を言われても気にしない。