レモンキャンディ





クラスに入る。



愛想笑いを浮かべた友達たち。



でも、私は何も気にしないって決めたんだ。



「おはよー!」



いつも通り元気に声をかける。


そうすると、
愛想笑いが一瞬消えまたいつもの笑顔で返事が帰ってきた。



これでいいんだ。
影で何を言われても。
別に私はいじめられてるわけじゃない。





席につくと前の席の男子がくるりと振り向いた。
柔らかそうな髪の毛の人。




「高橋さん、大変だね。」



この人は確かサッカー部の須藤君。


無視してかばんを机の脇にかける。



「竜と付き合ってるの?」


「……別に。」


「なんだー、付き合ってるかと思った。
あれ、なんか落としたよ?」



私のポケットから落ちたディズニーキャラクターのミニーちゃんがついた鍵が落ちた。

それをさっと拾ってかばんにしまう。



それを須藤君がじっと見ていた。




「それ、どっかで見たことある。」




「どこにでもあるような普通のキーホルダーだと思うけど。」



「そっか。」




彼に冷たく言い放うと彼はまた戻っていった。


所詮好奇心で声をかけて来たのだろう。



問題は誰が一体なんのためにあんな張り紙を作って貼ったのか。




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