レモンキャンディ





「ねぇ、さおりー。だれが張り紙なんて作ったのかなー?」



私の大好きなお昼の時間。


いつものように机をくっつけて二人で食べていた。



「だれだろう。でも知ってる人って本当に少ないよ? 私、自分の口からは竜とゆきにしかいってないもん。」


ウンウンと頷くゆき。



「でも私だれにもいってないよ?」



「だよねー。竜もまさか言わないだろうし。一体どうやって知ったのかな?」



「ほんと、ここ一週間ぐらい前にもなんかそういう感じの事件あったしね。なんかさおりに恨みのある人が適当にいってみたら実は若干かすってましたー。みたいな?」



「まさかまさかー。適当にいってだったら割とすごいよー。だがしかし、私誰かにうらまれてるのかなー?」



こんなこと確実に悪意がないとできないだろう。


「ていうかお腹痛い。」


急に腹の虫が暴れる。


心配そうにゆきが声をかける。


「ちょっと保健室いってくる。」



そういって私は教室を後にした。






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