レモンキャンディ







辺りが明るくなると私は地面にうつ伏せで寝ていた。


そうだ、私は確か高いところから飛び降りて、、、。

私は今死んだんだ。



すると男の人が近づいてきた。



「只今の時刻、6:38。死亡からおよそ5時間がたった模様。」



テキパキとメモを取っていく。



あぁ私はやっぱり死んだんだ。




「高橋さおりさんですよね?」



「はい。そうです。」



「本人確認完了。」



あれ、ちょっとまて。今私の声聞こえてた?



「今からあなたの死体は処理を施されエンジェルメイキングされた後、火葬されます。この場で身体から抜け出ることをオススメします。」



「あの、私の声が聞こえるんですか?」


「えぇ、私は特別な死体処理班ですから。」


「身体から出るってどうやって?」


「私は身体からでたことなどないのでわかりませんが、一般にはとりあえず起き上がるたち上がると抜けられるといいますね。」



私はもう立っていた。
自分の体が遠くに見えた。
飛んでいたのだ。



「私は自由なんですね。」


「いいえ、あなたはちっとも自由ではありません。」


おりて来てその男の人の顔をじっと見つめた。

どこかでみたことがある気がした。





< 105 / 115 >

この作品をシェア

pagetop