レモンキャンディ
固まる私、ゆきがにやにやしながら続けた。
「さおりさー、大矢くんのこときになってんじゃないの??」
「うん、気になるけど恋愛とかそんなんじゃないよ。 ただ変わってる人だなって。」
そういってカバンの中からフルーツのど飴をだした。
そのときさっと私のほうに手を伸ばしてきたのは、
「げっ、またのど飴かよー。俺グミの方が好き。」
竜でした。
「うっさいな、文句言うなら自分でグミ買え!」
ぽかんとするゆきちゃん。
だがすぐに我に帰り、私の肩をがっしりと掴み、
「さっさおりちゃん、あなたまさか竜様と知り合いなの???」
「あ、うんまぁ。」
「なによーーー!もうちょっと早く教えてくれてもいいじゃない!」
私の肩をゆっさゆっさするゆきちゃん。
「ところでさおり、レモン味あと一個しかねーぞ。ほかはまだまだあるのにー。」
「最近レモン味にはまってんのー。」
そういって竜の手にあるレモン味をとりあげる。
「あーーー。」
「最後の一個は大切にとっておくの!」
「その大切な一個を俺にくれたり?」
「しません。」
はっきりいうと竜はとぼとぼと教室に帰っていった。