レモンキャンディ
ドン
誰かにぶつかられて転んだ。
「あっ、ごめん!」
そういって走っていってしまったのはとなりのクラスのももちゃんだった。
本当にハプニングが起きるなんて想像もしてなかった。
一瞬にしてやる気が萎えた。
せっかく頑張ろうと思ったのに。
転んで血がでた膝をみつめる。
「さおりちゃん!さおりちゃん!」
ゆきが私のことを呼んでいた。
その後ろには彼もいた。
レモン味ののど飴が好きな彼。
さおりはすぐに立ち上がり全力疾走を始めた。
しかし最後尾までは遠く、このペースを保たなければ確実に1位は取れない。
くっそー。
と思いながらも走るペースは変えない。
私は生まれてからこれまで○○走と言うながつくもので1位以外を取ったことがないんだ。
ここで私の連覇記録を破られてたまるものか。