レモンキャンディ
「さおりー?」
「ん?」
さおりは教室で自分の席についていた。
その私の席の前に座って机の上にあごをのせてじーっとさおりのことを見つめるのは、今日もかわいいかわいいゆきだ。
私の名前を呼ぶけどそのあととくになにか話を繋げるわけでもない。
「さおりー?」
「なぁにったら。」
急にガタッと立ち上がって私の前髪に触れた。
いきなり近づいた顔に少し高鳴る心臓の音が激しい。
「さおりちゃんのここ、しわになっちゃうよ?」
そういって私のまゆとまゆの間のしわをなでる。
その指が触れたところが少し熱い。
心なしか顔も少し赤い。
「も、もういいでしょ?ちょっとくらい皺になってもいいもん。」
そんな二人のやりとりをみて周りの人まで顔を赤くした。
✳︎これは百合の物語ではありません。
「僕はそんなしわだらけの高橋さんは嫌だな。」