レモンキャンディ






そんな恥ずかしい行動に私はまさしくショート寸前。

体が硬直した。


男の人に触れられることは私にはただの苦痛だ。



そんな私のことを察したのか竜が私の腕を引っ張ってくれる。


竜に触れられても本当に何にも感じないんだけどな。




突然腕を離して振り返った。


「なぁ、朝はごめんな?」



わざとそっぽ向く。


そんな私にもう一度謝る。



組んでいた腕を解いた。



「もういいよ。私だって寝坊しかけてたのがいけない。アーモンドチョコ一箱で手を打とう。」




竜はふっと笑った。




「はい、あとこれ。母さんから。」



竜から受け取ったのはディズニーキャラクターのミニーのマスコットが付いた鍵だった。



「俺、部活とかあるから毎回一緒に帰れるわけじゃないからな。」



そういってそそくさと自分の教室に帰ってしまった。







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