レモンキャンディ
「まさに、僕らの出会いは運命。そうは思わないかい?」
全身に戦慄が走る。
チョリチョリと鳥肌が立つ。
ゆきは私の目の前で必死に笑いを堪えている。
「あぁ、僕の心全てを君にあげたい。」
そういって私の肩に触れようとした。
その瞬間は本当に瞬く間だった。
いやらしい手つき、
ギラギラ光る目、
思い出したくない出来事。
私の中の穢れた物が私の頭のなかで反芻する。
「やめて。」
自分でも驚くほど大きな声と共に強く手を払った音がざわめく教室に響いた。
気が付いたら息が上がっていて、
自分は涙目で、
みんながこっちをみている。
恥ずかしくなって教室から飛び出していた。