レモンキャンディ






その日は竜の家に帰らなかった。
竜の家ではなく自分の家に帰った。


おばさんにどうだったか聞かれるのが憂鬱だったからだ。



心配して竜が一度見に来たがそのまま追い返した。



今日は誰もいないところでいたいからだ。



自分の部屋のベッドで今日のことを思い返していた。


どうしてあんなこといったのだろう。

思いが通じあっていること、確信することができたのに。


でも彼のためにはこれが1番。


そう思うしかなかった。

それでもあとからあとから涙は流れてくる。


自分が明日腫れた目で学校に行くことを思うとまた憂鬱になった。






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