レモンキャンディ






だるい足を無理やり起こして学校へと向かう。



学校の最寄りへ着くとゆきが待っていた。


「さおりおそーい!」



今日は自力で起きたから少し遅刻ぎみ。


でも普通に歩いて間に合う距離だ。


「ごめんねー。」



「さおり、なんかあった?」



鋭いゆき。
ゆきにはもとから言うつもりだった。


屋上での出来事、
昨日の出来事、
自分の考え。


説明しているうちにもう学校についてしまった。



「だから、私は彼のこときにしないようにする。」


「でもさおり、それって辛くないの?」


大丈夫。


そう言おうとしていた。

でも言わなかった。


私は唖然として言葉が出なかった。


黒板から目を離すことができなかった。




『1年D組 高橋さおりは30歳のおじさんとヤりまくっていた。

本人はレイプと主張しているが果たして本当なのか。
淫乱女に気をつけろ。』



私の顔写真の上にはそんな言葉が並べられていた。




< 98 / 115 >

この作品をシェア

pagetop