レモンキャンディ
だるい足を無理やり起こして学校へと向かう。
学校の最寄りへ着くとゆきが待っていた。
「さおりおそーい!」
今日は自力で起きたから少し遅刻ぎみ。
でも普通に歩いて間に合う距離だ。
「ごめんねー。」
「さおり、なんかあった?」
鋭いゆき。
ゆきにはもとから言うつもりだった。
屋上での出来事、
昨日の出来事、
自分の考え。
説明しているうちにもう学校についてしまった。
「だから、私は彼のこときにしないようにする。」
「でもさおり、それって辛くないの?」
大丈夫。
そう言おうとしていた。
でも言わなかった。
私は唖然として言葉が出なかった。
黒板から目を離すことができなかった。
『1年D組 高橋さおりは30歳のおじさんとヤりまくっていた。
本人はレイプと主張しているが果たして本当なのか。
淫乱女に気をつけろ。』
私の顔写真の上にはそんな言葉が並べられていた。