もっと君と 愛し合えたら
α.忘れなくてもいい
私は安藤夕美。
以前の勤務先が倒産し
社員はバラバラに散ったが
年下の進藤たくみとはその後も付き合っていた。
週末は必ず彼の部屋で過ごした。
半同棲のような付き合いをしていた。
最近私のではない
別の女の匂いに気がついていた。
ベッドの下
足元近くにブレスレットが落ちていたり
いつもと違うシャンプーになっていたりした。
たくみは何も言わないし
私も何も聞かないでいた。
私は仕事が忙しくて平日は会えないので
彼に会うのは本当に週末だけだった。
彼の部屋へ行くたびに私の知らないものが増えてきた。
私にはわかっていた。
若い彼には私だけでは無理だということを。
それを言ってくれないことが悲しくてつらかった。
もう今日で終わりにしよう
そっと離れて会わないことにしよう
と何度も思った。
以前の勤務先が倒産し
社員はバラバラに散ったが
年下の進藤たくみとはその後も付き合っていた。
週末は必ず彼の部屋で過ごした。
半同棲のような付き合いをしていた。
最近私のではない
別の女の匂いに気がついていた。
ベッドの下
足元近くにブレスレットが落ちていたり
いつもと違うシャンプーになっていたりした。
たくみは何も言わないし
私も何も聞かないでいた。
私は仕事が忙しくて平日は会えないので
彼に会うのは本当に週末だけだった。
彼の部屋へ行くたびに私の知らないものが増えてきた。
私にはわかっていた。
若い彼には私だけでは無理だということを。
それを言ってくれないことが悲しくてつらかった。
もう今日で終わりにしよう
そっと離れて会わないことにしよう
と何度も思った。
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