もっと君と   愛し合えたら
γ.恋の危機
週末は野瀬さんの店でランチを食べるようになった。

相変わらず狩谷さんのおしゃべりも健在だ。

三人でダイビングにも行った。

ヨーロッパへダイビング巡りに行く計画もあった。

私は休日だけ彼の店を手伝った。

狩谷さんの厨房のヘルプもこなした。

楽しかった。

冬のオフにはオーストラリアへ行く計画も出た。

狩谷さんはクリスマスシーズン中

コックであちこち掛け持ちらしい。

私は野瀬さんとひと足先に現地へ旅立った。

現地は真夏だった。

ダイビングに最高だった。

二人で潜るたびに感じた。

海の中でも地上でも

私にとって彼がどれくらい大切な存在かを。

そして失いたくないと。

私をこんな気持ちにさせる人がいたことに

私は心の奥で静かに震えた。

彼にとって私は何かしら?

彼は潜ると必ず海の中で私を抱き締めた。

マスクの奥にある目を見つめ合った。

お互いの存在を確かめるために。

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