もっと君と   愛し合えたら
「夕美さん?」

「たくみ。どうしてここに?」

「夕美さんこそ。俺は潜りに来ているんだ。」

私は無意識に後ずさった。

二歩後ろに下がっただけで背中が壁に当たった。

たくみにいきなりキスされた。

「んっ、はふっ、んん。」

そんなに強くしないで。

「や、やめて。」

「夕美さん、俺が誘ってもなかなかライセンスを取らなかったじゃないか。誰に誘われたんだ?」

「・・・・・」

カンカンカンと誰かが階段を上がってくる音がした。

「しっ!」

彼は乱暴に私の腕をつかむと反対側へ引っ張った。

「たくみ、いる?」女の声だ。

「何だ、誰もいないじゃない。戻ったかな?」

カンカンカンと階段を降りて行ってしまった。

「あいつ、部屋で待ってろって言ったのに。」

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