もっと君と   愛し合えたら
δ.ずっと愛し合えたら
僕は夕美の元彼たくみってヤツに嫉妬していた。

彼女をあそこまで追いやった男の顔が見たかった。

テラスでその機会がやってきた。

僕のおしおきに逆らえるヤツはいないだろう。

僕は彼に声をかけた。

「ここに座っても構わない?」

「どうぞ。」

「君、一人?」

「いや、女と一緒。」と彼は海の方へ指を差した。

砂浜を歩いている女がいた。

かなり可愛い。

顔は幼いが身体が豊満なところがミスマッチしていた。

凄いな、あんな女がいるなんて、と僕はチラッと思った。

「今日も一日潜りますか?」僕は彼に聞いた。

「その予定だけど、何か?」

コイツ、男前だな。

第一印象は悪くなかった。

性格は乱暴で悪がきタイプか。

あの女もコイツの言いなりかもしれない。

「僕も彼女と来ているんだ。四人でダブルデートしないかと思ってね?」

「へぇ、面白いな。一応るりに聞いてみよう。るり、こっち来て!」

「何?たくみ、お友達?」

「彼と彼の彼女と四人でダブルデートしないかって、おまえ、どうする?潜ってばっかじゃ飽きただろ?」

「私はいいけど、あちらの彼女はいいの?」

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