もっと君と   愛し合えたら
「僕は野瀬公一と言います。」

「私は一の瀬るりです。」

「俺は進藤たくみ。で、あんたの女は?」

「僕の彼女は安藤夕美と言うんだ、よろしく!」

進藤は僕をにらんだ。

彼は僕のプランに食いついた。

「後で紹介しよう。」

「私、ちょっと部屋へ戻ってもいいかしら?」

「いいぜ、すぐ行く。」と言った進藤に僕は追い討ちをかけた。

「進藤くん、もう一つ提案があるんだが、僕の希望と言ってもいいんだが。」

「何?」

「交換しないか?今日一日、いや正確には半日かな?君の彼女と僕の彼女を。」

「・・・・・」彼は眉を寄せて僕を見た。

「どうかな?」

「あんたが何を考えているのか知らないけど、夕美さんが何て言うか俺は責任持たないぜ。」

「へぇ、夕美を知っているのか?」

「以前少し。」

「じゃ、積もる話しでもあるんじゃないのかな?僕はるりさんを味見してみたい。君の許可がいるんだ、どうする?」

「俺は構わないが、夕美さんは俺の顔を見るのも嫌がるだろう。」

「そんなことはない。夕美にはちゃんと言っておくから心配しないでくれたまえ。9時半にもう一度ここに集まろう。」

「わかった。」

進藤は思案顔でエントランスに入って行った。

< 23 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop