もっと君と   愛し合えたら
階下のラウンジへ行った。

四人でコーヒーを飲みながらこの後の予定を話し合った。

たくみの彼女は男だったら誰もが抱きたくなるような可愛い女性だった。

典型的な可愛い子ちゃんタイプで

たぶん彼女もたくみの言いなりだろうと思った。

野瀬さんは彼女を抱くんだろうか。

私を抱いた時のように

あんな風に彼女を感じさせて悦ばすのだろうか。

いいえ、野瀬さんは私が考えているよりずっと大人だ。

さっきだって私のことを一番に考えてくれていた。

私は自分が恥ずかしいと思った。

たくみのことを少しでも想っている私は

野瀬さんを裏切っていることと同じだ。

たくみにされたことを

今は私が野瀬さんにしていた。

早く気づかされて彼に感謝しなければならないと思った。

そして二人で前に進みたいと思った。

つらくて苦しい過去を明るい未来の踏み台にしたかった。

野瀬さんは私にそう言いたかったのでないだろうか。

私にはもったいない人だと思った。

と同時に絶対離れたくない大切な人だと思った。

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