もっと君と   愛し合えたら
俺は屋上でるりと風に吹かれた。

「るり、アイツと寝たのか?」

「たくみ、何てこと言うのよ。野瀬さんがそんなことする人なわけないじゃない。たくみとは人間のデキが違うのよ。」

「言ったな、おまえ、今夜はおしおきだからな。」

「キャー!たくみったら夕美さんを抱いちゃったの?」

「まあな。」

「あぁ、恥ずかしい!」

「何でおまえが恥ずかしがんなきゃならないんだよ?」

「だって、私にいつもしてるようにやったんでしょ?彼女、壊れなかった?大丈夫かしら、心配。」

「ばっかだな、おまえと同じにするわけないだろ?」

「キャー!たくみったら、すごいこと言うのね?」

「あのな。」

「キャー!やっぱりやっちゃったのね?で、どうだった?夕美さんのこと、好きになっちゃった?」

俺は夕日に輝く海に目を向けた。

白波がなめらかに打ち寄せていた。

俺の胸の奥にも何かが流れてきた。

何度も。

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