もっと君と   愛し合えたら
二人で彼の店に向かった。

車で30分近くかかった。

彼はダイビングの講師をしていて

私にライセンスを取ってみないかと言った。

私には未知の分野だ。

潜るなんて難しいのだろうか。

実習もあるらしい。

私に潜れるのだろうか。

泳ぎは得意だけど。

彼の店の冷製パスタはとても美味しかった。

友人のコックもダイビングの講師だと聞いた。

「昔と違って今はダイビングコンピューターもリストタイプでコンパクトにできているから初心者もすごく扱いやすいんですよ。」

とコックがしゃべった。

ペラペラとよくしゃべった。

「おい、仁!安藤さんに気安いぞ。彼女は僕のお客様なんだから。」

「へぇ、俺が彼女に教えてあげてもいいんだぜ。」

野瀬さんはコックの彼を手で制した。

「彼は狩谷仁と言って、高校の時からの腐れ縁でね。おしゃべりな所がたまにキズなんだが、コックの腕は一流だよ。ヨーロッパを巡って腕を磨いたんだ。もちろんダイビング巡りの方も。僕より潜った時間が長いんだよ。」

「ダイビング巡りですか?」

「各国のダイビングスポットを旅するんですよ。安藤さん、国内も海外も潜るルールは同じですから。」

コックはよくしゃべった。

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