ドジなメイドさん
最高の名前
今、なんて言った?

名前が、ない?

「おい、今なんて…。」

「ですから、私には名はございません。と申しました。」

そんな人間、いるわけが…

「どうしてだ?」

「いくらご主人といえど家庭の事情、というしかできません。」

「…わかった、これ以上は踏み込まない。」

「感謝いたします。」

「もう一つ聞く、」

そう、狼緋にはもう一つ疑問があったのだ。

「お前、歳は?」

そう、歳だ。見た目からしてとても若く小さい。小学生くらいのミニサイズ

「存じ上げません。」

ふざけるな!歳も知らないだと!?なんなんだこいつは、狼緋は誰もが抱く疑問を心の中で叫んだ

「そのようなものは不必要ですから。オタンジョウビカイというものもやったことはありません」

「でも、一度メイド長から、『お前はコウコウ1年なんだから、ガッコウに行ってもいいんだよ』と言われました。まあ、意味がわたしの頭では理解できなかったのでお断りさせて頂きましたが。
御主人?…」

そう、今狼緋の口はなんともだらしなく全開に開けていたのだ。

「コウコウセイ…こうこうせい→コウコウセイ→イマヲトキメク高校生☆青春あふれるこ、う、こ、う、い、ち、ね、ん!?
お前が!?その身長で!?」

「よく分かりませんが、すごく馬鹿にされたとは解ります。」

「学生なら、学校いけよ!俺でさえ家庭教師じゃなくて学校行ってんだぞ!」

「だって、ガッコウなど知りませんもん!」

「ごちゃごちゃいうなぁ!!そくばばあに知らせろ!」

「へ?」

「多分学校ずっと不登校ってことになってる!」

「フトウコウ…?親孝行?」

「不登校ってことはな!いろんなやつから心配されて教師から相談室に行ってプロに行ってしまいにゃ警察じゃコノヤロゥ!そうしたら、麗北院家に、変な噂がつくだろ!」

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