お姫様はふたり
カッターナイフで人は殺せる。


菜乃子はたぶん私を……。


「右手と左手。どっちがおしい?」


にっこりと微笑む菜乃子。


その姿はまさに悪魔。


「いや!!来ないでよ!!いや!!」


私は菜乃子から離れようと後ずさる。


それと比例して、菜乃子は私に近付いてくる。


トンッ。


背中が固いものに当たった。


………壁だ。


「やめて!!ねえ!!…やめてって!!菜乃子!!」


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