お姫様はふたり
目をギュッと瞑った。


「お前、誰だよ?」


この言葉に違和感を覚え、私は顔を上げた。


そこにはもう一人、知らない男子がいた。


でも不良とかガラの悪そうな人には見えない。


というかすごく頭がいいと思う。


進学校の制服を着ている。


「俺?こいつのツレだけど」


すると私に絡んでいた男たちが舌打ちをした。


そしてバツが悪そうな顔をする。


「彼氏いたなら言えよ」


カッコ悪い捨て台詞を残して、そいつらは私の前から消えた。


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