お姫様はふたり
「菜乃子が探してたから、手伝ってあげてたの」


莢は心の中の疑問にすぐ答えてくれた。


相変わらず、鋭い子。


「菜乃子が何で?」


「何か合奏とか騒いでたよ」


「えー。合奏?やだぁー」


「わがまま言うな。第一、あたしに文句言うな」


莢…、冷たすぎる。


すると突然莢が顔を覗き込んできた。


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