お姫様はふたり
と、思いっきり叫んでやりたい。


「あ、おかえり」


教室に入ると、莢(さや)が声をかけてきた。


莢は数学の参考書を読んでいる。


…頭いい人は違うわ。


「で、告白されてきたの?」


「うん。まーちゃんの身代わり告白だったけど」


すると、莢はパタンと参考書を閉じた。


そしてみこをまじまじと見つめてくる。


「不憫な双子ね…。美音(みこと)たちって」


憐れむように言ってくる。


ほんとにそう思ってるのかな?

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