お姫様はふたり
(真琴)


やっとこの時間になった。


今日はこの時間のおかげで朝からるんるんだった。


顧問に怒られても全然、落ち込まなかった。


それくらい楽しみにしていた。


「阿久津さん」


駅前の時計台で待っていると、彼は現れた。


笑顔を振り撒きながら、こっちへやって来る。


「羽崎くん!!」


私は思いっきり名前を呼んだ。


すると羽崎くんは一層笑顔になった。


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