お姫様はふたり
逸らされたと思ったら、今度はあっちから私を見てきた。


…怖いんだけど…。


「ほんとは言うつもりなかったけど。真琴がアイツの方に行っちゃって、すごくこの気持ちが強くなった」


クリーム色のカーテンが揺れ始めた。


「俺、真琴のことが好き」


カーテンが止まる。


それと同時に私の前髪と横髪が顔を隠すように覆った。


時が止まったような気がした。


「…えっ…?」


告白されるのは初めてじゃないけど、今までの人たちと全く顔が違う。


亮平の真剣な目から目が離せない。


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