小悪魔な彼女



「………でかっ……」


午前9時。


私は最近出来たばかりのマンションの前にいた。



そのマンションの最上階が悪魔の住み家。


そう思うと、喜びからの笑いが込み上げてきた。


風邪で弱ってる悪魔を落とす絶好のチャンス。


今日で悪魔を叩くことが出来れば今の私に敵はいない。



オートロックの玄関を開けてもらって、マンションの中に足を踏み入れた。



「……あ…琉唯ちゃん?」

「こんにちはー♪」



これまでに作ったことのない極上のスマイル。


きっと普通の雑魚な男子なら一発で落ちるか、失神もの。



……なのに、こいつは―…


「笑ってないで早く上がれば?」



……見てないのかよ!





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