小悪魔な彼女
ガチャと小さな音を立てて開いた扉の向こうには…
少し小さめなテレビとガラス張りのテーブル。
部屋の真ん中には大きな真っ黒のソファー。
壁に寄せられたキングダブルのベッド。
出窓に掛けられたカーテンも黒で統一された部屋だった。
とは言っても、めちゃくちゃ広い部屋。
きっと私の部屋の2倍か3倍は絶対あるのに、物がなさすぎる。
でもこのマンションに住めてる自体、金持ちの息子ですって言ってるようなもんだからな…
コイツ、見かけは長身のくせに細いから弱そうなガリ勉だけど結構すごい奴だったりして……
「琉唯ちゃん、びっくりした?」
「結構お金持ちなんだね♪さすが生徒会長さん!」
「そう?親が小さな会社経営してるだけだよ?」
けろりとした態度で言うコイツは自分がすごいことが全然わかってない。
小さな会社でも、一応コイツは御曹司ってことになる。
―…だから、そういう態度が私をむかつかせるんだってば。
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