AfterStory~彼女と彼の話~
帰りの道路は連休最後とあって、混雑している。

「やっぱどこも混雑しちゃうね。彰はずっと運転をしてるけれど疲れてない?何処かで休む?」
「沙紀こそ、眠くないか?」
「まだ眠くないよ」
「なら、少しだけ寄りたい所があるからいい?」
「いいけど…、何処に行くの?」
「着いてからの楽しみ」

彰はそういうと、渋滞を抜けて細い路に車を走らせる。

一体何処に向かっているのだろうと路なりを眺めていたら、高台まできた。

「少し歩くぞ」
「猫は?」
「寝てるから、そっとしておこう」

彰と一緒に車から出て暫く歩いていると、見晴らしのよいスペースに辿り着いて、眼下には住宅街の灯りが見えて、とても綺麗で、その景色に魅了される。

「わぁ…、こんな場所があるなんて知らなかった」
「迷子の男の子を見て小さい時を思い出してさ、この場所は両親に連れてこられたんだ。それで、沙紀にこの景色を見せたいって思った」

彰はどこか懐かしそうに景色を眺めていて、あまり自分のことを話さない彰の思い出の1つに触れられることが嬉しくて、私は彰に身体を寄せた。

「とても綺麗だよ」
「なら良かった」

彰は腕を回して、体が更に密着する。

「また一緒にここにこようね」
「ああ」

また2人でここにこれますようにと、私たちは約束のキスを交わした。










«東雲沙紀×南山彰の場合終わり»



2015/5/10up


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

また次回に(*´∇`*)
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