AfterStory~彼女と彼の話~
翌日になり、私は最寄り駅の改札口前に立って幸雄さんが来るのを待つ。
明日で冬季休暇が終わっちゃうなぁ、カレンダーの暦通りの冬季休暇なので、社会人としてはこの短い休みにがっくりする。
ニュースで病気が流行っているので、予防として厚いコートに首にはマフラー、手袋をして、足下の靴は幸雄さんが初デート記念としてプレゼントをしてくれた、ヒールの高いブーツだ。
今までヒールの高いブーツは、自分の身長コンプレックスにより敬遠していていたけれど、幸雄さんと付き合うようになってからは少しずつコンプレックスが解けてきている。
腕時計を見ると約束の時間が近づいてきて、駅のホームに電車が停まったのが改札口から見えると電車から降りてくる人たちは疎らで、幸雄さんの姿を探すと、改札に向かって歩いてくる幸雄さんが見えた。
今日も格好いいなぁ。
幸雄さんは紺のPコートに黒のマフラー、下はデニムという組み合わせで、ファッション雑誌を作る人はお洒落な人が多いような気がする。
幸雄さんの手にはビニール袋を提げていて、改札を出てきたので側に駆け寄った。
「明けまして、おめでとうございます」
「おめでとう。これ、電話で話していたお餅だよ」
幸雄さんはビニール袋を私に見せてはにかむと、その表情につられて私もはにかんだ。
「此れからスーパーに立ち寄って、買い出しをします」
「分かった」
私たちは手を繋いで、スーパーに向かう。
地元の道を恋人と歩くなんて初めてで、何だか照れちゃうな。
「前にここに来たときはゆっくり見る余裕がなくてさ、改めて見ると商店街があっていいね」
幸雄さんは商店街を観ながら話す。
「四つ葉出版社からの帰りに立ち寄ってお惣菜等が買えたり出来るので、便利ですよ」
自分が住んでいる街を好きな人に誉められるのは、嬉しいな。
やがてスーパーが見えてきて、お店の中に入った。
私はスーパーの入り口にあるカゴの1つを取ると、すぐ側にある手押しカートにセットして、いざ買い物モードに入る。
「俺がカートを押すよ」
「ありがとうございます」
幸雄さんはカートの手すりを持ち、私はその隣を歩く。
「買うものは決めているの?」
「お餅があるので、星野家のお雑煮を作ります。それの材料と、サラダと飲み物を買おうかと思います」
「お雑煮か、いいね」
「苦手な味はありますか?」
「好き嫌いないから、大丈夫」
「それなら良かったです」
お互いにこりと微笑んでスーパーの中を歩き始め、お母さんから教えて貰ったレシピを書いたメモを片手に、三つ葉に、人参…、椎茸と鮮度も大切だけど値段も見比べてカゴに入れていく。
「こうして2人で料理の材料を買うのは、新鮮でいいな」
「私もそう思います」
幸雄さんはカートを押しながら、嬉しそうに呟く。
たまにはこうして2人でスーパーに行くのもいいかも…、一緒に住んでいる気分にもなれるし、まだ先の未来を想像しながら私は材料を選んでいった。
「これで材料は揃いましたので、お会計に並んできます」
「材料代、払うよ?」
「今回は私に任して下さい」
食事に行く時は幸雄さんが代金を払ってくれる場合が多いけど、そればかりは流石に困っちゃう。
彼女だけど、こうした所はきちんとしたい。
「……じゃあ、次の買い物に来るときは予算を決めて出し合おう」
「はい!」
"次の買い物に"と言われ、また2人で買いにこれるんだと嬉しくなる。
私はレジの列に並んで、幸雄さんには荷物をつめる場所に移動してもらい、私はお会計をすまして材料を買い物袋に入れて、手に持つ。
「こっちと交換」
幸雄さんがお餅を入れているビニール袋と交換して、空いてる手を繋ぐ。
「これなら手を繋げられるね」
「はい…」
口元がにやけるのを堪えながら、手を繋いでアパートに向かった。
明日で冬季休暇が終わっちゃうなぁ、カレンダーの暦通りの冬季休暇なので、社会人としてはこの短い休みにがっくりする。
ニュースで病気が流行っているので、予防として厚いコートに首にはマフラー、手袋をして、足下の靴は幸雄さんが初デート記念としてプレゼントをしてくれた、ヒールの高いブーツだ。
今までヒールの高いブーツは、自分の身長コンプレックスにより敬遠していていたけれど、幸雄さんと付き合うようになってからは少しずつコンプレックスが解けてきている。
腕時計を見ると約束の時間が近づいてきて、駅のホームに電車が停まったのが改札口から見えると電車から降りてくる人たちは疎らで、幸雄さんの姿を探すと、改札に向かって歩いてくる幸雄さんが見えた。
今日も格好いいなぁ。
幸雄さんは紺のPコートに黒のマフラー、下はデニムという組み合わせで、ファッション雑誌を作る人はお洒落な人が多いような気がする。
幸雄さんの手にはビニール袋を提げていて、改札を出てきたので側に駆け寄った。
「明けまして、おめでとうございます」
「おめでとう。これ、電話で話していたお餅だよ」
幸雄さんはビニール袋を私に見せてはにかむと、その表情につられて私もはにかんだ。
「此れからスーパーに立ち寄って、買い出しをします」
「分かった」
私たちは手を繋いで、スーパーに向かう。
地元の道を恋人と歩くなんて初めてで、何だか照れちゃうな。
「前にここに来たときはゆっくり見る余裕がなくてさ、改めて見ると商店街があっていいね」
幸雄さんは商店街を観ながら話す。
「四つ葉出版社からの帰りに立ち寄ってお惣菜等が買えたり出来るので、便利ですよ」
自分が住んでいる街を好きな人に誉められるのは、嬉しいな。
やがてスーパーが見えてきて、お店の中に入った。
私はスーパーの入り口にあるカゴの1つを取ると、すぐ側にある手押しカートにセットして、いざ買い物モードに入る。
「俺がカートを押すよ」
「ありがとうございます」
幸雄さんはカートの手すりを持ち、私はその隣を歩く。
「買うものは決めているの?」
「お餅があるので、星野家のお雑煮を作ります。それの材料と、サラダと飲み物を買おうかと思います」
「お雑煮か、いいね」
「苦手な味はありますか?」
「好き嫌いないから、大丈夫」
「それなら良かったです」
お互いにこりと微笑んでスーパーの中を歩き始め、お母さんから教えて貰ったレシピを書いたメモを片手に、三つ葉に、人参…、椎茸と鮮度も大切だけど値段も見比べてカゴに入れていく。
「こうして2人で料理の材料を買うのは、新鮮でいいな」
「私もそう思います」
幸雄さんはカートを押しながら、嬉しそうに呟く。
たまにはこうして2人でスーパーに行くのもいいかも…、一緒に住んでいる気分にもなれるし、まだ先の未来を想像しながら私は材料を選んでいった。
「これで材料は揃いましたので、お会計に並んできます」
「材料代、払うよ?」
「今回は私に任して下さい」
食事に行く時は幸雄さんが代金を払ってくれる場合が多いけど、そればかりは流石に困っちゃう。
彼女だけど、こうした所はきちんとしたい。
「……じゃあ、次の買い物に来るときは予算を決めて出し合おう」
「はい!」
"次の買い物に"と言われ、また2人で買いにこれるんだと嬉しくなる。
私はレジの列に並んで、幸雄さんには荷物をつめる場所に移動してもらい、私はお会計をすまして材料を買い物袋に入れて、手に持つ。
「こっちと交換」
幸雄さんがお餅を入れているビニール袋と交換して、空いてる手を繋ぐ。
「これなら手を繋げられるね」
「はい…」
口元がにやけるのを堪えながら、手を繋いでアパートに向かった。