AfterStory~彼女と彼の話~
「お前はこっちだ」
「にゃぁ…」

 うー…、誰か居る?ゆっくりと瞼を開けると白い天井が見えて、雰囲気からしてリビングじゃない。

 体にはタオルケットがかけられていて、ベットに横になっているし、さっきまでリビングのソファでくつろいでいたはずなのに?!

「起きたか?」
 
 声のする方に顔を向けると、彰が上半身何も身にまとってない状態で私の隣で頬杖をついていて、うんと優しい顔で見下ろしている。

「いつ帰ってきたの?」
「2時間前」
「嘘?そんなに時間が経っていたの?」

 起き上がって腕時計で時間を確認すると、確かに彰の家に来てから大分時間が過ぎていた。

「いつの間にか寝ちゃった」
「確か、夜勤だったんだよな」

 彰も起き上がって、右手親指で私の左目のところを優しくなぞる。

 普段B警察署ではとっきつきにくいと言われているのに、こうして恋人同士でいるときは優しい面を見せるのは反則だよ。

 優しく触れる彰の右手をそっと左手を重ねて、瞼を瞑る。

「ご飯、食べる?」
「いい。今はこうしていたい」
「あっ…」

 彰の腕が背中に回って、優しくベットに倒されて抱きしめられる。

「彰にこう(抱きしめ)されたの、久しぶりかも」
「俺も久しぶりにこう(抱きしめ)してる」

 お互い笑いあって、抱きしめる力が強まった。

 三毛猫を抱いていた時も感じたけれど、大好きな人に抱きしめられるだけで癒やされるなぁ。

 彰の胸に顔を寄せて、心音が聞こえてとても心地いい。
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