AfterStory~彼女と彼の話~
アパートに着いて部屋に入り、クローゼットからハンガーを2つ取り出した。
「このハンガーを使って下さい」
「ありがとう」
ハンガーを1つ渡して、幸雄さんはコートとマフラーを脱いでハンガーにかけ、コートで見えなかったけど、幸雄さんのトップスは白シャツだった。
私もコートを脱いでハンガーにかけて2人分のコートはクローゼットにしまい、私はキッチンでお雑煮の準備に取り掛かる。
「お雑煮が出来るまで、幸雄さんはゆっくりして下さい」
「うん」
「テレビ、着けますね」
私はテレビのリモコンで電源を入れて、幸雄さんはベッドに寄りかかりながらテレビを観ている。
水道水で材料を洗い、まな板を用意して、包丁でお雑煮の材料を切り始めた。
ぎこちない手つきで食べやすいサイズに切り、幸雄さんが持ってきたお餅をトースターで焼く。
「後はお鍋を用意して、出汁と白味噌を溶かす…と」
星野家のお雑煮は白味噌が基本なので、スーパーで探すのも大変だった。
お鍋にお水を入れてコンロの火を点火して、沸騰するまで、サラダやおつまみ的な物を作っちゃおうと、また材料を切り始めた。
数十分かけて何とかお雑煮が完成し、お椀2つにお雑煮を入れて、サラダ等と一緒にお盆に載せて、幸雄さんの所に運ぶ。
「お待たせしました!」
ローテーブルの上にお盆を置いて、お椀の1つを幸雄さんに渡さす。
「ありがとう。いただきます」
幸雄さんはお箸を持って、お椀の縁に口を添えてお雑煮の煮汁を飲む。
「美味しい…」
「ありがとうございます。星野家では白味噌がベースなんですよ」
「俺の所は、オーソドックスに白だしかな。白味噌もいいね。お餅もよく焼けているよ」
幸雄さんは次々にお雑煮を食べていき、お母さんにレシピを教えて貰えて良かった。
私もお雑煮やサラダを食べはじめて、2人でこんなにゆっくりと出来ることに幸せを噛みしめた。
「ご馳走さまでした」
「お粗末さまでした」
私は食器をシンクに運び、水道の蛇口をひねって洗い始めた。
「冷たっ」
水が冷たくて、食器を洗うのも一苦労する。
今日はこのままで終わりかな…、買い物したりお雑煮を食べたりと、楽しい時はあっという間に過ぎていった。
冬季休暇が終わっちゃう前に幸雄さんに会えて良かったなぁと、しみじみと思いながら食器を洗う。
「美空」
背後から幸雄さんに抱き締められた。
「まだ食器を洗ってますよ~」
急に抱き締められた恥ずかしさを誤魔化す為に幸雄さんに注意をすると、私を抱き締める腕に力が込められた。
「我が儘1つ、言っていい?」
「何でしょう?」
「今日、このまま泊まっていいかな」
幸雄さんの言葉に、胸がドキッとする。
明日で冬季休暇が終わるけれど、数少ない貴重な休みを私と過ごしても大丈夫だろうか。
水道の水は、ずっと流れたまま。
「折角の休みなのに、いいんですか?」
「美空と過ごしたいから」
ああ、もう…こんな風に言うのは反則だよと、私は水道の蛇口をひねって水を止めて、幸雄さんの腕に自分の手を添える。
「泊まって…、下さい」
どきどきしたまま精一杯の返事をすると、幸雄さんは腕をほどいて私の身体の向きを反転させる。
「明日、洗い物を手伝うよ」
「お願いします」
それを合図にお互いの顔を近づかせて、唇を重ねた。
私たちには約頭1つ分の身長差があるから、立ったままキスをしようとすると私の方が顔を下げる形になる。
「んんっ」
幸雄さんは私の後頭部に手を回して、より密着させようとする。
「このハンガーを使って下さい」
「ありがとう」
ハンガーを1つ渡して、幸雄さんはコートとマフラーを脱いでハンガーにかけ、コートで見えなかったけど、幸雄さんのトップスは白シャツだった。
私もコートを脱いでハンガーにかけて2人分のコートはクローゼットにしまい、私はキッチンでお雑煮の準備に取り掛かる。
「お雑煮が出来るまで、幸雄さんはゆっくりして下さい」
「うん」
「テレビ、着けますね」
私はテレビのリモコンで電源を入れて、幸雄さんはベッドに寄りかかりながらテレビを観ている。
水道水で材料を洗い、まな板を用意して、包丁でお雑煮の材料を切り始めた。
ぎこちない手つきで食べやすいサイズに切り、幸雄さんが持ってきたお餅をトースターで焼く。
「後はお鍋を用意して、出汁と白味噌を溶かす…と」
星野家のお雑煮は白味噌が基本なので、スーパーで探すのも大変だった。
お鍋にお水を入れてコンロの火を点火して、沸騰するまで、サラダやおつまみ的な物を作っちゃおうと、また材料を切り始めた。
数十分かけて何とかお雑煮が完成し、お椀2つにお雑煮を入れて、サラダ等と一緒にお盆に載せて、幸雄さんの所に運ぶ。
「お待たせしました!」
ローテーブルの上にお盆を置いて、お椀の1つを幸雄さんに渡さす。
「ありがとう。いただきます」
幸雄さんはお箸を持って、お椀の縁に口を添えてお雑煮の煮汁を飲む。
「美味しい…」
「ありがとうございます。星野家では白味噌がベースなんですよ」
「俺の所は、オーソドックスに白だしかな。白味噌もいいね。お餅もよく焼けているよ」
幸雄さんは次々にお雑煮を食べていき、お母さんにレシピを教えて貰えて良かった。
私もお雑煮やサラダを食べはじめて、2人でこんなにゆっくりと出来ることに幸せを噛みしめた。
「ご馳走さまでした」
「お粗末さまでした」
私は食器をシンクに運び、水道の蛇口をひねって洗い始めた。
「冷たっ」
水が冷たくて、食器を洗うのも一苦労する。
今日はこのままで終わりかな…、買い物したりお雑煮を食べたりと、楽しい時はあっという間に過ぎていった。
冬季休暇が終わっちゃう前に幸雄さんに会えて良かったなぁと、しみじみと思いながら食器を洗う。
「美空」
背後から幸雄さんに抱き締められた。
「まだ食器を洗ってますよ~」
急に抱き締められた恥ずかしさを誤魔化す為に幸雄さんに注意をすると、私を抱き締める腕に力が込められた。
「我が儘1つ、言っていい?」
「何でしょう?」
「今日、このまま泊まっていいかな」
幸雄さんの言葉に、胸がドキッとする。
明日で冬季休暇が終わるけれど、数少ない貴重な休みを私と過ごしても大丈夫だろうか。
水道の水は、ずっと流れたまま。
「折角の休みなのに、いいんですか?」
「美空と過ごしたいから」
ああ、もう…こんな風に言うのは反則だよと、私は水道の蛇口をひねって水を止めて、幸雄さんの腕に自分の手を添える。
「泊まって…、下さい」
どきどきしたまま精一杯の返事をすると、幸雄さんは腕をほどいて私の身体の向きを反転させる。
「明日、洗い物を手伝うよ」
「お願いします」
それを合図にお互いの顔を近づかせて、唇を重ねた。
私たちには約頭1つ分の身長差があるから、立ったままキスをしようとすると私の方が顔を下げる形になる。
「んんっ」
幸雄さんは私の後頭部に手を回して、より密着させようとする。