AfterStory~彼女と彼の話~
「海斗さん、一緒にどうですか?」

 大きなタオルケットは私一人だけでは大きすぎるし、2人なら丁度いいかもと思ったので広げた。

「……こっちに座ろう」

 海斗さんは私の手をとって大きな洗濯機の陰に回ると座り、私は海斗さんが広げた足の間に座って、海斗さんは私を後ろから抱きしめる。

 2人で大きなタオルケットにくるまって、服が乾くまでたわいのない話をする。

「コインランドリーってあまり利用しないんですけど、こういう風に濡れてしまった場合は助かりますね」
「運よくあって良かった」

 海斗さんが私を抱きしめる腕の力を強めると、お互いの肌の密着度が増す。

 私の背中に海斗さんの肌が触れてその温かさがダイレクトに伝わるから、何だか忙しさで疲れていたのが癒やされていくなぁ。

 体の力が抜いて、私の体を海斗さんに預けるように寄り掛かった。

「海斗さん、温かいです」
「俺もだ」

 耳元に海斗さんの息が触れて、それがくすぐったくて体をよじる。

「ん…」

 海斗さんの大きな手が私の足をなぞり、それが徐々に上に移動して腰や背中をなぞっていく。

 頭ではこんな場所でと思っているけれど、一度火照りだした心と体は海斗さんの手の動きに抵抗することは一切なくて、コインランドリーの中で艶やかな吐息と乾燥機の音だけが響いた。
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