AfterStory～彼女と彼の話～
　慌てて洗濯機の傍に駆け寄って電源ボタンを何度も押しても、うんともすんともない。

「止まるなんて嘘でしょ？」

　電源のコンセントを抜いて改めて差してから電源ボタンを押しても、洗濯機は動かない。

　漫画の吹き出しで出てくるシーンという文字がぴったり。

　どうしよう、こんな中途半端な状態だと困っちゃうので、玲二さんに頼んでコインランドリーに連れて行ってもらって、そこで洗濯をさせてもらおうかな？

　部屋に移動してベットの上にあるバックからスマホを取り出して、画面を操作して玲二さんへ電話をかけると２コールでつながった。

『どうした？』
「実は―…、という訳なのでコインランドリーに行きたいです」
『分かった。近くにコインランドリーがあるか調べるから、荷物の用意をしておけ』
「ありがとうございます」

　台所の棚から洗濯ものを入れるのに使えそうな紙袋を取り出して、大きなタオルケットとフェイスタオルを入れ、貴重品をバックに入れて玲二さんの元に行った。

　普通乗用車に乗って、１軒のコインランドリー傍にある駐車場に普通乗用車を停めてからコインランドリーに入る。

　大きな洗濯機と乾燥機が所狭しと並んでいて、今は私と玲二さんしかいない。

「すぐに洗濯を始めますね」
「ああ」

　洗濯機のふたを開けてタオル類を入れて、小銭を入れる投入口に１回分の料金を入れてスイッチを押した。

　自分が使っている洗濯機よりも大きいから、運転する音も大きい。

　洗濯が終わると、蓋を開けて乾燥機にタオル類を入れて、また料金を投入した。

「これで何とか洗濯が出来そうです」
「終わるまで近くのカフェで飲み物を買って、車の中で待つか？」
「はい！」

　手を繋いで近くのカフェに入って、私はホットミルクティーで玲二さんはコーヒーを注文し、普通乗用車の中で乾燥が終わるのを待つことにした。
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