AfterStory~彼女と彼の話~
├弟が風邪を引きました(姫川岳side)
【姫川岳side】
弟が風邪を引いた。
昼休みに九条から相談をしたいと言われたので、てっきり原稿が没になるのかと思ったが、聞けばヒデ子婆ちゃんから弟の海斗が風邪を引いたらしく困っていると電話を受けて、明日は仕事の時間を定時であがりたいとの相談だった。
最初はヒデ子婆ちゃんが具合が悪いと思ってヒヤリとしたが、悪いのは海斗か。
体調を崩すのはプライベートなことだし、こっちの仕事を遅らせることはしたくない。
「勿論、印刷所に送る原稿を終わらせます」
「言ったな。終わらせなかったら、お前が担当する来月のページ数を減らす」
深く頭を下げる九条に、俺は上司として今回だけだと意味で伝えると、その言葉を受けて九条は終電ギリギリまで編集部に残り、原稿を打ち込んでいた。
「姫川編集長、電車が無くなりそうなのでお先に失礼します」
「ああ」
九条を先に上がらせ、俺も帰る準備をする。
「姫川、帰るなら一緒に行こうよ」
「そうだな、飯がまだだから付き合えよ」
「分かった」
ファッション部の水瀬から声をかけられ、久しぶりに飯を食べに【もりや】に行った。
「へい!らっしゃい!!」
店主の大守さんが元気な声で出迎え、俺と水瀬はカウンター席に座った。
「何にしますか?」
「俺は魚定食」
「唐揚げ定食でお願いします」
大守さんが調理を始め、料理が出てくるまで水瀬と話をし始めた。
「おっかねー彼女とは上手くいってんのかよ」
「美空は、そんなにおっかなくないよ」
「いつかお前も平手打ちされるんじゃねぇの」
「そうならないように、気を付けるよ」
2人で青木印刷に行った時のことを思い出して、笑う。
弟が風邪を引いた。
昼休みに九条から相談をしたいと言われたので、てっきり原稿が没になるのかと思ったが、聞けばヒデ子婆ちゃんから弟の海斗が風邪を引いたらしく困っていると電話を受けて、明日は仕事の時間を定時であがりたいとの相談だった。
最初はヒデ子婆ちゃんが具合が悪いと思ってヒヤリとしたが、悪いのは海斗か。
体調を崩すのはプライベートなことだし、こっちの仕事を遅らせることはしたくない。
「勿論、印刷所に送る原稿を終わらせます」
「言ったな。終わらせなかったら、お前が担当する来月のページ数を減らす」
深く頭を下げる九条に、俺は上司として今回だけだと意味で伝えると、その言葉を受けて九条は終電ギリギリまで編集部に残り、原稿を打ち込んでいた。
「姫川編集長、電車が無くなりそうなのでお先に失礼します」
「ああ」
九条を先に上がらせ、俺も帰る準備をする。
「姫川、帰るなら一緒に行こうよ」
「そうだな、飯がまだだから付き合えよ」
「分かった」
ファッション部の水瀬から声をかけられ、久しぶりに飯を食べに【もりや】に行った。
「へい!らっしゃい!!」
店主の大守さんが元気な声で出迎え、俺と水瀬はカウンター席に座った。
「何にしますか?」
「俺は魚定食」
「唐揚げ定食でお願いします」
大守さんが調理を始め、料理が出てくるまで水瀬と話をし始めた。
「おっかねー彼女とは上手くいってんのかよ」
「美空は、そんなにおっかなくないよ」
「いつかお前も平手打ちされるんじゃねぇの」
「そうならないように、気を付けるよ」
2人で青木印刷に行った時のことを思い出して、笑う。