AfterStory~彼女と彼の話~
山さんが私に渡したスーパーの袋に梅干しや漬物が入っているので、お粥に添えよう。

「冷蔵庫に何か食材はあるかな」

冷蔵庫を開けてみるとミネラル水のペットボトルと、バナナ2本しか入ってなかった。

「普段、何を食べてるんだろう」

冷蔵庫のドアをそっと閉じて戸棚を開けてお米を探すと、お茶碗1杯分ギリギリの量があったので、お鍋に水をはってコンロの火をつけて、お粥の下ごしらえをする。

スーパーの袋から梅干しと漬物を取り出して、包丁を使って食べやすいように刻んだ。

「後は味の確認をしてと…」

お玉でお粥を掬って小皿に注ぎ、味見をする。

「んっ、これでいいかな」

火を消して、食器棚からお茶碗とレンゲと小鉢を取り出して、それぞれの器に料理を盛りつける。

私は寝室に入り南山の様子を見たら、ちょっと汗をかいているみたいだし、冷却シートを交換しようかな。

「冷却シートを交換する?」
「いいや。申し訳ないけど体の汗を拭きたいから、風呂場からタオルを持ってきてもらえるかな」
「うん。待っててね」

私はお風呂場に向かい、タオルが無造作に置かれている中から綺麗な物を選んで寝室に戻った。

「お待た―…、ぎゃっ!!」

思わず叫んじゃったのは、南山の上半身が何も纏ってないからだ。

「でかい声を出すなよ。服を脱がなきゃ、汗が拭けないし」
「そ、そそそ、そりゃあそうだけどさ…。はい、タオル」
「ありがと」

此方は南山が脱いでるなんて予想がつかないし、動揺しちゃって口ごもりながらタオルを渡すと、南山は笑いながらタオルを受け取る。

タオルで体を拭く南山をそ~っと見ると、普段はスーツ姿しか見たことがなかったので、腕に筋肉があるし無駄な脂肪がついてない。

私たち警察官は犯人に立ち向かう為に体力訓練を受けるけど、男性警察官は皆ガッチリとした体格の人が多い。

南山も警察学校での柔道の時間は誰よりも強かったから、鍛えてるんだなぁ。
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