AfterStory~彼女と彼の話~
2月12日の木曜日。
仕事を定時に上がって、帰りに角井百貨店に来た。
「凄い人…」
立ち寄った時間が時間だったので、大勢の人が角井百貨店の中を行き交う。
私がここに来たのは、明日2月13日に四つ葉出版社のバレンタインイベントとして献上するチョコの買い出しにきた。
地下のチョコ売り場に来ると、ショーケースの前には女性達がチョコを選別している。
「私も早く買わなきゃ売れ切れになっちゃう」
人混みをかき分けながら、姫川編集長から預かったチョコの購入代金3千円に似合うチョコを探す。
「ブランデー入りチョコか…」
ワインショップには赤と黒の大人っぽいデザインのケースに、正方形のチョコが6つ収まっていて、表面には赤のラインが施されていた。
(海斗さんって、こういうの好きかな)
会社用のチョコを買いにきたけれど、一緒に海斗さんのチョコを買いたかったから、その両方を考えながらショップを回る。
「既製品もいいけど、手作りをしたいな」
「一人で作って失敗しない?」
「気持ちをいーっぱい込めるから大丈夫!」
「私も作ってみようかな」
「じゃあさ、本命は手作りってことで、上の雑貨売り場に【バレンタインキット】を買いに行こうよ」
「うん!」
(手作りか…)
近くで話をしていた女子高生たちの会話を聞いて、本命と区別するなら手作りかな。
私は海斗さんに手作りチョコを、四つ葉出版社のバレンタインイベントにはプチサイズのチョコ詰め合わせにしようと決めた。
先に四つ葉出版社用のチョコを購入し、次は雑貨店に向かう為にエスカレーターで数回上がっていくと、メンズ売り場のフロアがある階について、アパレルブランド"S"の商品の前に立って何かを手にしている女性に目が止まった。
「あの人、確か…」
すらりとした高身長で、確か総務課に転職してきた女性だったはず。
仕事を定時に上がって、帰りに角井百貨店に来た。
「凄い人…」
立ち寄った時間が時間だったので、大勢の人が角井百貨店の中を行き交う。
私がここに来たのは、明日2月13日に四つ葉出版社のバレンタインイベントとして献上するチョコの買い出しにきた。
地下のチョコ売り場に来ると、ショーケースの前には女性達がチョコを選別している。
「私も早く買わなきゃ売れ切れになっちゃう」
人混みをかき分けながら、姫川編集長から預かったチョコの購入代金3千円に似合うチョコを探す。
「ブランデー入りチョコか…」
ワインショップには赤と黒の大人っぽいデザインのケースに、正方形のチョコが6つ収まっていて、表面には赤のラインが施されていた。
(海斗さんって、こういうの好きかな)
会社用のチョコを買いにきたけれど、一緒に海斗さんのチョコを買いたかったから、その両方を考えながらショップを回る。
「既製品もいいけど、手作りをしたいな」
「一人で作って失敗しない?」
「気持ちをいーっぱい込めるから大丈夫!」
「私も作ってみようかな」
「じゃあさ、本命は手作りってことで、上の雑貨売り場に【バレンタインキット】を買いに行こうよ」
「うん!」
(手作りか…)
近くで話をしていた女子高生たちの会話を聞いて、本命と区別するなら手作りかな。
私は海斗さんに手作りチョコを、四つ葉出版社のバレンタインイベントにはプチサイズのチョコ詰め合わせにしようと決めた。
先に四つ葉出版社用のチョコを購入し、次は雑貨店に向かう為にエスカレーターで数回上がっていくと、メンズ売り場のフロアがある階について、アパレルブランド"S"の商品の前に立って何かを手にしている女性に目が止まった。
「あの人、確か…」
すらりとした高身長で、確か総務課に転職してきた女性だったはず。